薫香茶房(くんこうさぼう)
“最果ての都”蓮砂国(れんさのくに)の西の繁華街、祭邑(さいゆう)に、いつの頃からか存在している店。
店主は瑛藍(えいらん)と珱里(おうり)という、二人の少年と少女。
様々な花を乾燥させて作った花茶や、花の香を主に取り扱っている。
店に入って右手に帳場(椅子もあり、軽く茶が飲める程度の広さ。時折作業台の役目を担うことも)、
後ろに鍵つきの戸棚(作業用の道具や、売上金などを保管)。その奥に台所と二階へと通じる階段、やはり鍵つきの物置きがある。
二階部分は店主達の住居となっており、関係者(店主)以外は立ち入り禁止。
天井から吊るされているランタンと帳場の上に置かれたランプしか灯りらしい灯りはなく、昼間でも薄暗い。
正面奥と左手には床から天井までの高さの引き出し棚があり、中には商品である様々な花茶や香が詰め込まれている。
扱っている商品の総数は店主ですら把握していない。希少品も少なくなく、値段はそれぞれ違う(=お客様のお気持ち次第)。
他にも、店主(主に瑛藍)の好みである懐古的な品々が随所に散らばっており、
客達にとっての見物の一つと化しているとか(現にそれらを見る為にやってくる客も少なくないほど)。
店そのものは10畳ほどの大きさ。棚と帳場と散らばっているものと薄暗さのせいで、幾分か狭く感じられるはず。
蓮砂国(れんさのくに)
東の果ての国。皇帝が住んでいる「蓮砂宮」と、それを取り巻く四つの地区(祭邑、蛍斗、楚楼、羽堂)から成っている。
代々帝政を敷いており、現皇帝は「鎖碧(さへき)」。
蓮砂の民は白い肌に黒髪と黒目を持つ者が多いが、東の果てという場所と開放的なお国柄のためか、現在では様々な人種の民が混在している。
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月別の名称と行事一覧(仮段階)
祭邑(さいゆう)
蓮砂国の西側の一帯を指す。
西から訪れる者が国の門を潜って最初に足を踏み入れる地であり、外界との接点とも言える玄関口。
門の近辺に宿屋が軒を連ねているのを筆頭に、至る所に料理屋や道具屋、薬屋、武器屋、宝石店などが建ち並び、
通りには小物売りの露店などもひしめいている。また、花や色を売る女達に捕まることもあるらしい。
朝から晩まで明かりが絶えず、町は常にお祭り騒ぎ。様々な人種や種族・文化が混在している、異国情緒溢れる界隈。
蛍斗(けいと)
蓮砂国の南側の一帯を指すが、その面積の半分以上は鉱山となっており、灯り用の鉱石である蛍火石が主に産出されている。
そのため、この地区に住む住民の大多数が鉱山で働く坑夫とその家族であり、観光客などが訪れることはごく稀。
※蛍火石(ほたるびいし)
南の鉱山から産出される石で、灯り用としてごく一般的に用いられている八面体の鉱石。
薄緑色をしており、太陽の光と熱をその内に蓄えて仄かに赤い光を発する。
石のまま用いることもあれば、粉末にすることも。いずれにしても水に浸すことで輝きを帯びる。
楚楼(そろう)
蓮砂国の北側の一帯を指す。通称、職人通り。
蛍火石の加工やその他の加工品、民芸品、食料品などの生産の場。他に非合法の薬なども作られているらしいが、実態は不明。
ここで作られた物のほとんどは祭邑で売りに出されている。
羽堂(うどう)
蓮砂国の東側の一帯を指す。
主に皇族や上流階級の貴族達が住み、蓮砂宮にある門からしか出入りすることが出来ない。
石とレンガで作られた、いわゆる閑静な住宅街が広がっている。
沙羅国(さらのくに)
大陸の中央部に位置する大国。蓮砂の隣国でもあり、友好関係を結んでいる。
東西南北それぞれの国の中継地点にもなっているため、人も多く活気に溢れている。
様々な種類の茶葉と伝統的な織物が特産品。
蓮砂の民と違い、肌の色は褐色、深緑かそれに近い色を持つ者が多いのが特徴。